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人事労務ニュース

2015/03/24

4月より始まる有期雇用特例措置を行う際に必要な手続き

2015/03/24

2013年4月に改正労働契約法が施行され、有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたとき、労働者が事業主に申込むことにより、有期労働契約が無期 労働契約(期間の定めのない労働契約)に転換するという仕組みが創設されています。この取り扱いに関して、今年4月より特例措置が設けられることとなりま した。以下では、その内容について解説しましょう。

1.特例の対象となる労働者の範囲
 今回、専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法という法律が制定され、労働契約法の無期転換ルールに特例が設けられました。対象となる者は以下のとおりとなります。

①専門的知識等を有する有期雇用労働者(事業主との間で締結された有期労働契約の契約期間に事業主から支払われると見込まれる賃金の額を1年間当たりの賃金の額に換算した額が厚生労働省令で定める額以上である者に限る。)であって、その専門的知識等を必要とする業務(5年を超える一定の期間内に完了することが予定されているものに限る。)に就くもの(②に該当するものを除く。)

②定年(60歳以上のものに限る。)に達した後、引き続いてその事業主に雇用される有期雇用労働者

 なお、上記②は定年前より継続して雇用していることが前提であり、定年の年齢を超えた者を新たに雇用する場合は、この特例の対象にはならないことに留意が必要です。

2.②の者について特例の取扱いをするために必要な手続き
 以下では、多くの企業で対象となる上記②の者に関する手続きをとり上げます。この特例の取扱いをするためには、企業は「第二種計画認定・変更申請書」を作成し、都道府県労働局長の認定を受ける必要があります。またこの申請書の中で、対象となる労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置の内容を記載することになっており、具体的には以下のいずれかの措置を実施することとなります。

●高年齢者雇用安定法第11条の規定による高年齢者雇用推進者の選任
●職業能力の開発及び向上のための教育訓練の実施等
●作業施設・方法の改善
●健康管理、安全衛生の配慮
●職域の拡大
●知識、経験等を活用できる配置、処遇の推進
●賃金体系の見直し
●勤務時間制度の弾力化

申請にあたり、上記の措置を実施したことが分かる資料を添付する必要があります。またこの申請は事業場単位で作成する必要はなく、本社で一括して作成し、申請すると都道府県労働局で審査が行われ、認定通知書や不認定通知書が交付されることになっています。

3.併せて整備が必要な労働条件通知書
 この②の対象者について、雇用契約にまつわるトラブルを未然に防ぐ観点から、定年後引き続いて雇用されている期間が、無期転換申込権が発生しない期間であることを書面で明示することが義務づけられています。そのため、労働条件通知書等の整備を行い、契約締結時に説明を行っておきましょう。

この4月より有期雇用特例措置が開始されます。多くの企業に影響がある内容となっていますので、順次、計画書の作成に取りかかりたいものです。

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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